他の事業主から労働者を受け入れた場合、その方はすぐに仕事ができるとは限りません。
仕事内容が変更となる場合も多いため、はじめは戸惑うことも多いでしょう。
このような方に対し、職業訓練を実施すれば、円滑に仕事に慣れてもらうことができます。
このような対策を実施する事業主を応援する制度が、「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースです。
この助成金は、他の事業主から移籍により労働者を受け入れ、Off-JT、OJTを実施する事業主が受給することができます。
「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースとは?
「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースを受給するには、対象となる労働者の移籍を受け入れ、職業訓練を受けさせる必要があります。
まず、移籍を受け入れる労働者は以下の条件を満たす必要があります。
・移籍元の事業主で1年以上雇用保険の一般被保険者として雇用されていた
・移籍元の事業主に復帰する見込みがない
これらを満たす労働者を、離職から6ヶ月以内に企業間の移籍により受け入れる、または企業間在籍出向で受け入れた上で、6ヶ月以内に移籍に切り替え受け入れる必要があります。
また、実施する職業訓練は以下の条件を全て満たす必要があります。
・職業訓練計画を作成する
・訓練開始前に労働局の認定を受ける
・職業能力開発推進者を選任する
・移籍による受け入れから1年以内に訓練を開始する
・訓練期間中も対象者に賃金を支払う
さらに、支給対象となる訓練は以下の条件を全て満たす必要があります。
・Off-JT、またはOff-JT とOJT を組み合わせたもの
・職業に関する知識と技能等を高め、職場への適応性を高めるための訓練
・趣味教養と区別がきちんとつくもの
・通信教育、eラーニングではない
・一つの訓練あたりのOff-JTが10時間以上
・事業主が訓練の経費を全額負担する
・事業主が訓練の適切な実施に責任を負い、実施状況を確認の上証明する。
受け取れる「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コース
「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースは、実施する訓練により支給額が異なります。
Off-JTを実施した場合、支給対象者一人につき、1時間あたり900円が支給されます。
また、訓練経費助成として訓練に使った経費が助成されます。ただし、こちらは上限が30万円です。
OJTを実施した場合、支給対象者一人につき、1時間当たり800円が支給されます。
また優遇助成として、一定の成長性が認められる事業主が、地域経済活性化支援機構(REVIC)の再生支援等、一定の要件を満たした事業所から労働者を移籍で受け入れた場合、受給できる金額がアップします。
「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースを活用しよう
「労働移動支援助成金」移籍人材育成支援コースを活用することで、他の事業主から労働者の移籍を受け入れる際に、助成金を使い職業訓練を実施することができます。
職業訓練を実施すれば、これまでと異なる職業につく場合でも円滑に労働移動することができるでしょう。
移籍で受け入れた従業員が、早く仕事を覚えれば当然会社にとってもプラスとなります。
ぜひ助成金を活用して、お得に教育訓練を実施してください。