障がい者が職場定着するために、様々な措置を行えば受給できる助成金があります。
その助成金は「障害者雇用安定助成金」です。
この助成金の中でも障害者職場定着支援コースでは、障がい者の特性に合わせ様々な働き方の工夫を講じた事業主が対象となります。
この助成金の最大の目的は、障がい者雇用の推進と職場定着です。
この目標を達成するためにも、助成金を活用して障がい者の方が働きやすい社会を作りましょう。
障害者雇用安定助成金を受け取るために?
この助成金を利用するにあたって、ただ闇雲に障がい者の方に合わせた工夫をすればいいという訳ではありません。
対象となる措置が設定されています。それぞれ解説していきましょう。
1.柔軟な時間管理・休暇取得
障がい者の方の中には、通院や入院が必要な方がいます。
そのような方のために労働時間の調整を行ったり、有給休暇以外の特別な有給の休暇を与えるといった措置を行った場合に助成金が活用できます。
この場合、労働条件を明確にした雇用計画書または労働条件通知書を作成し、対象労働者に交付しなくてはなりません。
2.短時間労働者の勤務時間延長
対象労働者同意の下で、週当たりの労働時間を延長した場合に助成金が活用できます。延長の条件は、、、
・週当たりの労働時間が20時間未満の労働者を、20時間以上30時間未満または30時間以上に変更する。
・週当たりの労働時間か20時間以上30時間未満の労働者を、30時間以上に変更する。
の2パターンがあります。
周所定労働時間を延長する場合も、労働条件を明確にした雇用計画書または労働条件通知書を作成し、対象労働者に交付しなくてはなりません。
3.正規・無期転換
対象労働者同意の下で、雇用形態を正規雇用や無期雇用に転換し場合も助成金が活用できます。
対象となるのは以下の2つのパターンです。
・有期契約労働者を正規雇用労働者または、無期雇用労働者に転換した場合
・無期雇用労働者を正規雇用労働者に転換した場合
雇用形態を転換した場合、労働条件を明確にした雇用計画書または労働条件通知書を作成し、対象労働者に交付しなくてはなりません。
また多様な社員への転換の場合、当該雇用区分を就業規則などに定める必要があります。
4.職場支援員の配置
職場支援員を契約し配置することにより、助成金を受給できます。
職場支援員とは、、、
・精神保健福祉士、社会福祉士、作業療法士、臨床心理士、産業カウンセラー、看護師、保健師、障害者職業カウンセラーの試験に合格しかつ指定の講習を修了した者
・特例子会社または重度障害者多数雇用事業所での障害者の指導・援助に関する実務経験が2年以上ある者
・障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所などの障害者の就労支援機関において、障害者の就業に関する相談の実務経験が2年以上ある者
・障害者職業生活相談員として届け出られた者であって、当該講習受講修了後または資格取得後に3年以上の実務経験がある者
・職場適応援助者養成研修修了者である者
・申請事業主が企業内に配置する産業医以外の医師
のいずれかの要件を満たすものを指します。
5.職場復帰支援
中途障害などにより、1カ月以上の療養のため休職を余儀なくされたものを、職場復帰させた場合にも助成金が受給できます。
この場合医師の意見や本人の同意の下、労働時間を調整したり、特別な休暇を与えたりする必要があります。また、場合によっては勤務地の変更もする必要があります。
もう一点、職務開発を行ったり、支援機器の導入を行ったりする必要もあります。
6.社内理解の促進
障がい者の支援に関する知識を習得するために、講習を申請事業主が雇用する労働者に受講させた場合も助成金が受給できます。
対象となる講習は以下のようなものです。
・障害に関する知識や障害者と働く上での配慮事項等の、障害者の支援に関する知識を習得させるための講習
・現に雇用されている障害者に係る、障害特性や配慮事項等の共有等のための講習
・当該事業所以外の機関が実施する障害者の支援に関する講習
さらに講習は1回につき1時間以上である必要があります。
上記6つのいずれかの措置を行った場合「障害者雇用安定助成金」が活用できます。
受け取れる助成金
この助成金は実施した措置ごとに支給額が異なります。
1、柔軟な時間管理・休暇取得
この措置を行った場合、支援対象者一人当たり6万円が支給されます。支給は6カ月ごとに3万円づつ支給されます。
2、短時間労働者の勤務時間延長
この措置を行った場合、支援対象者一人当たり最大40万円支給されます。最大額となる条件は、20時間未満から30時間以上へ変更した場合です。また、障害の程度によっても支給額が異なります。
3、正規無期転換
この措置を行った場合、支援対象者一人当たり最大90万円支給されます。
最大額となる条件は、有期契約から正規契約へ転換した場合です。
また、障害の程度によっても支給額が異なります。
4.職場支援員の配置
支給対象者一人当たり、月額3万円支給されます。ただし、支給対象者が実際に就労していない月は含まれません。
支給期間は2年間ですが、精神障害者に限り3年間受け取ることができます。
また、短期労働者は支給額が半額となります。
5.職場復帰支援
支給対象者一人当たり、月額4.5万円支給されます。ただし、支給対象者が長期休業した場合は支給されません。
支給対象期間は1年です。
6.社内理解の促進
講習にかかった経費に応じて助成金の額が決定します。最大は9万円で、20万円以上経費が掛かった場合に適用されます。また、最低でも5万円以上は経費をかけなくてはなりません。
この助成金の対象となる対象労働者は、身体障害者、知的障害者、精神障害者、発達障害者が挙げられます。
さらに、難治性疾患を有する方にも適用されます。
指定されている難治性疾患は100以上にのぼるため、該当しているかどうかご自身で判断するにはかなりの手間がかかるかと思います。
私達なら、無料で助成金に該当するかお調べすることができます。
またこの助成金に該当しない場合も、活用できそうな別の助成金をご提案することもできます。
相談は無料ですので、一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
「今後障がい者雇用に力を入れていきたい」「現在障がい者を雇用しているけどもっと働きやすくなる取り組みをしたい」などと考えているようでしたら、この助成金を活用できるかもしれません。
今後、障がい者雇用は中小企業の課題となりますので、賢く助成金を活用して障がい者の方が働きやすい環境を作っていきましょう。
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