企業にとって、人材育成は欠かすことの出来ないものです。
積極的な人材育成は、企業の生産性を向上させるだけでなく、従業員のモチベーションアップや定着率向上にも役立ちます。
とは言え、中小企業では時間や金銭的な余裕が少ないため、思うような人材育成ができていない会社も少なくないかと思います。
そのような会社が有効利用できる制度が、「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コースです。
この助成金は、セルフ・キャリアドック制度もしくは教育訓練休暇等制度を導入し、従業員のキャリアアップに努める事業主が受給することができます。
「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コースとは?
「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コースを受給するには、まずセルフ・キャリアドック制度や教育訓練休暇等制度を就業規則に定めて導入する必要があります。
セルフ・キャリアドック制度は、、、
・雇用する全ての労働者にキャリアコンサルティングの実施を計画するもの
・実施計画をセルフ・キャリアドック実施計画書に定める
・ジョブ・カードを活用してキャリアコンサルティングを実施する
・計画書の内容についてキャリアコンサルタントと協議して作成する
・キャリアコンサルタントが個別の面談により定期的に実施するもの
教育訓練休暇等制度は、、、
・教育訓練休暇等の実施計画を教育訓練休暇等実施計画書により定める
・雇用する被保険者に適用する
・従業員が業務命令でなく自発的に教育訓練を受講する
以上を満たす制度を導入する必要があります。
また、教育訓練休暇等制度の内容は、、、
・有給の教育訓練休暇の場合、 5年に5日以上、かつ1年間に5日以上の取得が可能なもの
・無給の教育訓練休暇の場合、 5年に10日以上、かつ1年間に10日以上の取得が可能なもの
・有給の教育訓練短時間勤務制度の場合、 5年に40時間以上、かつ1年間に40時間以上の取得が可能なもの
・無給の教育訓練短時間勤務制度の場合、 5年に80時間以上、かつ1年間に80時間以上の取得が可能なもの
以上を満たす必要があります。
このような制度を導入した上で、雇用する従業員に適用することで助成金を受給することが可能となります。
さらに、企業全体の雇用する被保険者数に応じて最低適用人数、最低適用延べ日数が設定されています。
その人数や日数は以下の表の通りです。
雇用する被保険者数 | 最低適用人数 | 最低適用延べ日数(教育訓練休暇等) |
50人以上 | 5人 | 25日以上 |
40人以上50人未満 | 4人 | 20日以上 |
30人以上40人未満 | 3人 | 15日以上 |
20人以上30人未満 | 2人 | 10日以上 |
20人未満 | 1人 | 5日以上 |
受け取れる「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コース
「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コースは、1つの制度を導入するごとに47.5万円が支給されます。
つまり、両方の制度を導入した場合は95万円が受給できます。
「人材開発助成金」のキャリア形成支援制度導入コースを活用すれば、助成金を受給した上で従業員の育成を行うことができます。
人材育成を積極的に行うと、それだけ従業員の満足度は向上し定着率も高くなります。
従業員の離職に悩む会社も少なくないと思いますので、従業員の満足度向上のためにもぜひ活用してみてください。