「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コース
近年、仕事と家庭の両立という問題がクローズアップされています。
特に共働きで小さなお子さんを持つ家庭では、遅い時間まで会社に残るわけにはいかない事情があります。
このことが原因で、子供の誕生をきっかけに離職してしまう方も多くいます。
しかし出来る事なら、辞めることなく会社にとどまって欲しいと思う企業の方が多いもの現実です。
特に近年では人手不足が深刻化し、仕事のできる戦力は一人でも多いに越したことは無いからです。
そのため事業所内に保育施設を設けるなどして、子育てと仕事を両立できるようにした会社も少数ですが出現しています。しかし費用もかかるため、多くの企業では実現していません。
育児支援の助成金
実は助成金を活用して、事業所内に保育施設を設置することができる事をご存知でしょうか?
活用できる助成金は「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースです。
この助成金では、事業所内保育施設を設置する事業主に対してその費用の一部が助成されます。
「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースの対象
「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースは、事業所内保育施設の設置、運営、増築等を行った場合にかかった費用の一部が助成されます。
支給対象となる事業所内保育施設の要件は、、、
・定員が6人以上
・保育室のほか調理設備、便所がある
・乳児室が保育室や調理室と区切られている
・採光、換気が確保されている
・便所には手洗い設備がある
・消化用具、非常口等非常災害に必要な設備がある
・保育室を2回以上に設置する場合は転落防止設備を設けている
以上全てを満たす設備を設置したうえで適切な数の保育従事者を雇い入れ、認可外保育施設指導監督基準を満たす施設運営を行う必要があります。
また利用にも条件があり、、、
・原則として事業主が雇用する従業員が利用する
・定員に対する現員が3割以上(大企業は6割)
・雇用する労働者の利用条件に制限を設けない
・0歳から小学校就学の始期の子に対応できる
・保育時間は労働時間と照らし合わせ利用しやすい物である
・保育料が高額でない
以上すべての条件を満たす必要があります。
「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースの受給金額
「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースは施設を設置した場合、建築や購入に要した費用の3分の2が助成されます。ただし上限は2300万円です。
また増築を行った場合は、要した費用の2分の1が助成されます。増築の規模により上限が異なるので注意してください。
また大企業の場合は、助成率、上限が低くなります。
また運営費に関しても助成され、、、
・運営にかかる費用から、(施設の定員総数×当該施設の運営月数×1万円)を引いた額
・年額34万円に現員をかけた額
・支給限度額1360万円
以上3つのうち最も低い額が支給されます。
ぜひ「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースを活用して、子育てママを応援しよう!
子育てと仕事の両立は大変です。会社側がしっかり理解を示してあげないと、両立することができなくなり離職という結果にもなりかねません。
事業所内に保育施設があれば仕事と子育てが両立できますし、親としても安心できます。
もし事業所内に保育施設の設置を検討しているなら「両立支援等助成金」の事業所内保育施設コースを活用してください。
保育施設の設置は費用が掛かるので、簡単にはできないかもしれません。
しかし今後、子育てと仕事の両立は大きな課題となるので、助成金で費用が賄えるうちに設置するのも一つの手です。
ぜひ子育てと仕事が両立できる職場を作ってください。