時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)は、勤務間インターバルを導入しようとする企業を支援するための助成金です。
勤務間インターバルとは、勤務終了後、次の勤務までに一定時間の休息時間を設けることです。
睡眠時間や生活時間を増やすことができるので、過重労働の防止を図ることができます。
時間外労働等改善助成金の勤務間インターバル導入コースを活用して従業員の健康を保ちましょう
夜遅くまで働き、次の日も朝早く出社していたら休む暇がありません。
そのような勤務を続けていると、疲労がたまって身体を壊すおそれもあります。
そこで勤務間インターバルを導入することで、従業員の健康を保つことができるようになるというわけです。
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の助成内容
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)を受給するには、「9時間以上11時間未満」もしくは「11時間以上」の勤務間インターバルを導入する必要があります。
勤務インターバルを導入する際には、以下の10の取り組みの中から1つ以上実施しなくてはなりません。
・労務管理担当者に対する研修
・労働者に対する研修、周知・啓発
・社労士や中小企業診断士などによるコンサルティング
・就業規則・労使協定等の作成・変更
・人材確保に向けた取組
・労務管理用ソフトウェアの導入・更新
・労務管理用機器の導入・更新
・デジタル式運行記録計の導入・更新
・テレワーク用通信機器の導入・更新
・労働能率アップに繋がる設備・機器等の導入・更新
労働能率アップに繋がる設備は、働く時間が短縮できるもの全てが対象となります。
たとえば、飲食店の自動食洗機や運送業の洗車機のような機材です。
ただし、パソコンやスマートフォン、タブレットは対象とならないので注意が必要です。
勤務間インターバルを新しく導入する場合、勤務時間インターバルに関する規定を就業規則に定める必要があります。
その際は、事業所に所属する従業員の半数以上が対象となるよう定めなければいけません。
それから、すでに勤務時間インターバルを導入している場合でも、適用範囲を拡大したり時間を延長したりすることで助成金を受給できます。
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)の対象企業
適用範囲の拡大が利用できるのは、従業員の半数以下が勤務間インターバルの対象である企業です。
従業員の半数以上が勤務間インターバルの対象であるよう、適用範囲を拡大することで助成金を受給できます。
時間延長が利用できるのは、9時間未満の勤務間インターバルを導入している企業です。
休息時間を2時間以上延長して、9時間以上の勤務間インターバルを就業規則に規定することで助成金を受給することができます。
受給できる助成金の金額
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)では、勤務間インターバルを導入する上で行なった取り組みにかかった経費の3/4が支給されます。
たとえば、40万円かけて設備を導入したとしたら30万円受給できるということです。
ただし、労働者数が30名以下で、設備の導入に30万円以上かかった場合に関しては、補助率が4/5に拡充されます。
経費の一部が助成されますが、支給される助成金には上限があります。
その上限は、勤務間インターバルの導入形態と休息時間数で決められます。
まず、新規で勤務間インターバルを導入する場合、9時間以上で40万円、11時間以上で50万円が助成金の上限額となります。
次に、適用範囲の拡大か時間延長を導入する場合、9時間以上で20万円、11時間以上で25万円が上限額です。
数百万円の設備投資を行ったとしても、最大で50万円しか受給できないので注意してください。
時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)はメリットが多い
勤務間インターバルを導入すれば、従業員にしっかりと休息をとった上で仕事に取り組んでもらうことができるようになります。
疲れた状態で勤務するよりも生産性が向上するでしょうから、企業としてもメリットは大きいものといえるでしょう。
働き方改革が推進される今だからこそ、助成金を使って有利に取り組んでみてください。