職場環境改善計画助成金は、ストレスチェックの結果を受けて職場改善に取り組む企業を支援するための助成金です。
職場環境を整えるために新たな設備を導入したり、専門家の指導を受けたりする取り組みに対して助成金が支給されます。
ストレスチェックで問題がある従業員が多いということは、職場環境にも何らかの問題があるということです。
そこで、職場環境を改善して、少しでも働きやすい職場を作るための助成金というわけですね。
職場環境改善計画助成金の助成内容
職場環境改善計画助成金は、ストレスチェックの結果を受け職場改善に取り組むことで受給できます。
つまり、大前提としてストレスチェックを実施していなければならないということです。
ストレスチェックとは、従業員のストレスの状態を調べることができる簡単な検査のことです。
従業員が50人以上の事業所では義務、50人未満の事業所でも努力義務となっていますので、できる限り実施するようにしてください。
職場環境改善計画助成金は、Aコース、Bコースの2種類に分かれていますが、内容はほとんど同じものとなっています。
Aコースは、産業医などの専門家による指導のもと職場改善に取り組むことになります。
一方Bコースは、各都道府県産業保健総合支援センターのメンタルヘルス対策促進員の指導のもと職場改善に取り組むといった違いです。
職場環境改善計画助成金を受給するには
職場環境改善計画助成金を受給するには、以下の5つの条件を満たす必要があります。
・労働保険の適用事業場である
・ストレスチェックを実施した後、集団分析を実施している
・専門家もしくはメンタルヘルス対策促進員から、職場環境の改善について支援を受けている
・専門家もしくはメンタルヘルス対策促進員の助言を受け、職場環境の改善を実施している
・専門家もしくはメンタルヘルス対策促進員が、職場環境の改善を実施していることを確認している
Aコースを利用する場合は、上記の条件に加えて専門家と職場環境改善指導に係る契約を結んでいる必要があります。
ただ、助言を受けて改善に取り組むことになるので、その点はあまり問題になることはないでしょう。
助成の対象となるのは、職場改善のために導入した機器や設備の購入費用です。
専門家やメンタルヘルス対策促進員の助言に基づき職場環境改善計画書を作成し、計画を実施した場合に負担した機器や設備の購入費用が助成される形です。
また、Aコースを利用する場合は、専門家のコンサルタント費用も助成の対象となります。
受取れる職場環境改善計画助成金の金額
職場環境改善計画助成金では、職場改善のために購入した機器や設備の費用がそのまま支給されます。
Aコースの場合は、専門家のコンサルタント費用もそのまま支給される形です。
ただし、支給される費用には上限が設けられており、AコースBコース共に機器の購入費用は5万円までとなっています。
5万円を越える機器や設備には適用されないので、金額には注意して選ぶ必要があります。
また、5万円を超えない範囲であれば、複数の機器や設備を導入することも可能です。
Aコースの場合は、機器の購入費用の上限5万円に加え、コンサルタント費として5万円が加算され10万円が上限となります。
ただし、コンサルタント費を抑えて機器の購入費に回すことはできませんので注意してください。
それから、職場環境改善計画助成金は、将来にわたり1回限りしか受給することはできません。
年度が変わっても受給することはできませんが、制度が見直される可能性もあるので早めに受給しておく方がいいかと思います。
職場環境改善計画助成金を受け取ってスタッフの満足度を高める
ストレスの多い職場環境が改善されれば、従業員の満足度も向上することでしょう。
そうなれば、離職率の改善にもつながり人手不足も解消するかもしれません。
ストレスチェックの結果を受けて職場を改善することは、従業員のメンタルを健全にするだけでなく、企業の課題も解決する可能性があるのです。
助成金を使えば費用負担もほとんどないので、ぜひ取り組んでみてください。