障がいのある方の雇用をより推進するためには、職業能力の開発・向上は不可欠です。
しかし現状では、障害のある方に十分な職業能力開発を行う施設や事業所がまだまだ不足しています。
そこで障害のある方に十分な職業能力を付けてもらい、継続して安定的な仕事に就いてもらうためにできたのが「障害者職業能力開発助成金」です。
この助成金は障がいのある方に対して、障害者職業能力開発訓練事業を行うための施設や設備を設置・整備を行った場合や、障がいのある方に対し障害者職業能力開発訓練事業を行う事業主が活用できます。
障害者職業能力開発訓練事業とは?
「障害者職業能力開発助成金」の対象となる障害者職業能力開発訓練事業は、職業に必要な能力を開発・向上する職業訓練である必要があります。
一定の基準を満たす職業訓練である必要があり、以下の10の要件を全て満たす必要があります。
①運営管理者
教育訓練を運営する管理者は、障がいのある方に職業に必要な能力を開発・向上するための知識を持っていなくてはなりません。またこの事業と同等と認められる事業に係る経験が5年以上ある必要があります。
②訓練期間
教育訓練の期間は、6カ月以上2年未満である必要があります。また訓練期間は、訓練の目標やカリキュラムと整合性が獲れていなくてはなりません。
③訓練時間
教育訓練の教育時間は6カ月当たり700時間が基準となります。また、1日当たり5~6時間が標準となります。
訓練時間は、実技を中心としたカリキュラムである必要があります。そのため、訓練時間の5割程度は実技である必要があります。
④訓練科目
教育訓練の科目は、労働市場の状況から判断して雇用機会の大きいものでなくてはなりません。訓練終了後、3カ月後の就職率が2年続けて30%未満の訓練科目は対象外となります。
⑤訓練施設以外の実習
訓練施設以外で行う実習は、実際に営業している事業所で実習形式による実践的な訓練である必要があります。また実習先には、実習指導者、訓練評価者、管理責任者を配置し、安全衛生に関する実習も含めなくてはなりません。
⑥訓練人員
教育訓練を行う一単位当たりの受講者数は10人程度となります。ただし、身体障害者以外の受講者は5~10人が標準となります。
⑦訓練担当者
受講者が5人ごとに1人の専任の訓練担当者を置く必要があります。受講者が5人を超える場合は、2人以上の配置が標準となります。
⑧訓練施設等
障がいのある方の障害の種類に十分配慮した訓練施設である必要があります。また教育訓練の目的を達成ために、必要な設備を備えていなくてはなりません。
⑨安全衛生
教育訓練を受講する障がいのある方の安全衛生について、十分配慮して実施しなくてはなりません。
⑩費用
教育訓練を受けるものの物となる教科書など、あらかじめ明示したもの以外は無料でなくてはなりません。
受け取れる助成金
「障害者職業能力開発助成金」は、施設や設備の設置にかかった額や運営費に関して助成金が受給できます。
障害者職業能力開発訓練事業を行う施設や設備の設置を行った場合、かかった費用の4分の3の金額が助成されます。ただし、初めて助成金の対象となる施設の設置を行った場合は上限が5000万円。訓練科目ごとの設備の更新の場合は上限が1000万円となります。
運営費の場合は、対象となる障害のある方が重度障害者の場合とそうでない場合で助成額が異なります。
対象となる方が重度障害者の場合は、一人当たりの運営費の5分の4の金額が助成されます。ただし、訓練時間の8割以上を受講した方のみが対象となります。
重度障害者以外の方の場合は、一人当たりの運営費の4分の3の金額が助成されます。
こちらも訓練時間の8割以上を受講した方が対象となります。
また、重度障害者が就職した場合は一人当たり10万円助成金を受給することができます。
障がい者訓練施設はまだまだ不足しています
障がいのある方が継続的に働くためには、職業訓練が不可欠となります。
しかし現状は、訓練できる施設や事業所が不足しており、満足に訓練ができておりません。
このような現状を打破するために、障害者支援事業の立ち上げなどをお考えなら「障害者職業能力開発助成金」を利用してみませんか?
私達なら、助成金が受給して事業を始めることができるか無料でご相談いただけます。
職業訓練を受ける機会が増えれば、多くの障害のある方が社会で働くことができるようになると思います。
助成金を有効に活用して、障がい者の方に優しい社会を目指していきましょう。
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