働くことを望んではいるものの、実際に職につくにはある程度の訓練を必要とする方もいます。例えば、障害のある方やほとんど働いた経験のない方などです。
このような方の就職を支援するには、職場適応訓練を受けてもらう方法が考えられます。
一人でも多くの求職者に就職してもらうため、職場適応訓練を実施する企業を応援する制度もあります。
その制度が「職場適応訓練費」です。この助成金は、実際の職場の業務にかかわる作業について、職場適応訓練を実施する事業主が受給することができます。
どのような措置が対象となるか?
「職場適応訓練費」を受給するには、職場適応訓練の対象者に職場適応訓練を実施した場合に実施する必要があります。
職場適応訓練の対象者とは、雇用保険の受給資格者で、職場適応訓練が必要とハローワークの所長が認める方です。
ただし、雇用保険の受給資格者以外でも、障害のある方などは職場適応訓練を行うことができる場合があります。
職場適応訓練とは、求職者を作業環境に適応させるための訓練で、次の2種類に分かれます。
・一般の職場適応訓練
一般の事業所を対象に、業務にかかわる訓練を通じて、事業所での作業への適応を容易にすることを目的に実施するものです。また、訓練終了後その事業所での雇用も期待されます。
・短期の職場適応訓練
ハローワークに求人を出している事業所を対象に、実際に従事することになる仕事を経験させる訓練を実施します。訓練受講者へ自信をつけさせ、作業への適応を用意にすることを目的としています。
職場適応訓練は、条件を満たす事業主に都道府県労働局が委託して実施されます。
つまり、自社で自由に訓練を実施しても助成金は受給できないということです。
その条件は以下の通りになります。
・職場適応訓練を行う設備がある
・指導員として適切な従業員がいる
・労働者災害補償保険、雇用保険、健康保険、厚生年金保険または、これらと同等の職員共済制度を保有している
・安全衛生その他の作業条件が整備されている
・職場適応訓練修了後、訓練を受けた者を雇用する見込みがある
助成金を利用して職場適応訓練を実施しようとする場合、まずは、各都道府県に確認を取る必要があります。
受け取れる助成金
「職場適応訓練費」は、実施した職場適応訓練により支給額が異なります。
一般の職場適応訓練を実施した場合、一人当たり月額2.4万円、短期の職場適応訓練を実施した場合は一人当たり日額960円が支給されます。
ただし、訓練受講者が重度の障害者であった場合、一般の職場適応訓練は2.5万円、短期の職場適応訓練は1000円に増額されます。
職場適応訓練を実施する企業が増えれば、現状では就職ことが困難な方も訓練を経て就職できる可能性が高まります。
また、企業としても実際に訓練を受けた方をそのまま採用できるので、そのメリットは大きいと言えるでしょう。
ぜひ、「職場適応訓練費」の活用も検討してみてください。